重力から解放されたような情景に惹かれます。

 

浮遊感のあるモチーフや現実味を欠いた世界をよく描くのは、そのせいかもしれません。

 

過去の記憶、夢の世界といった「ここではないどこか」を切望する気持ちは現実逃避願望ともいえるでしょう。

 

しかし、身体は現実の世界から離れることはできません。

 

過去と未来、夢と現実を行き来しながら、どうしても「いま」「ここ」に生きなければならないという葛藤は、きっと多くの人が感じたことがあるのではないでしょうか。

 

そんな苦悩を抱きながらも現実に生きなければならない私の、そして鑑賞者の、不安や孤独感、悲しみや痛みを作品という形にすることで昇華させられることを望み、制作しています。